AbemaTVの千原ジュニアさんの番組に取り上げてもらえるで〜
AbemaTVには苦い思い出がある。
ある日、事務所から一通のスケジュール確認メールが来た。
「AbemaTVでやっている某売れっ子芸人さんがやっている番組から仮のオファーが来ました。スケジュール確認お願いします。」
という内容であった。
我々地方で活動しているお笑い芸人にとって、東京の第一線でバリバリ活躍されている芸人さんとご一緒できる機会は非常に貴重なのである。
番組の進行やゲストとの駆け引きなど、勉強できることは山ほどあるし
東京で売れている芸人さんが「空き時間とかどんな過ごし方しているんだろう?」とか「スタッフさんとどんな感じで接するんだろう?」とか「地方ローカル芸人にどんな対応するタイプの人なんだろう?」など、興味は尽きない。
そして単純に、1テレビファンとして、いつもテレビで見ていた方とご一緒できるのは非常に光栄なことなのだ。
すぐにでも返信しようと思ったが、一旦深呼吸をして、はやる気持ちを抑えることにした。
こちとら地方とはいえ、プライドを持って芸人活動をしているのだ。
あくまで同じ立場で、同じ土俵に立ち、お互いの磨いて来た芸をぶつけ合うのだ。
いわば戦場だ。
「憧れ」や「興味」などと言った浮ついた気持ちは、戦場では命取りとなる。
平常心を取り戻したおじさんは、マネージャーに返信をした
「空いてます空いてます!仮に空いてなかったとしても全力で空けます!なんならその前日も翌日も、空いてます!むしろ埋まっている日の方が少ないです!!」と。
一旦深呼吸をして、この有様である。
これは、深呼吸をしていなかったら大変なことになっていたと思う。
「靴舐めます!靴舐められるのが嫌だったら、舐める用の靴プレゼントした上で舐めます!」くらいまで言ってた可能性がある。
まぁ、そんなこんなでスケジュールを調整し、楽しみにロケ日を待っていたのだが、残念ながらその仕事はいわゆる「バラし」になってしまった。
「あぁ〜そっかぁ…。残念だなぁ…。舐める用の靴、返品できるかなぁ…」などと思っていたのだが
まぁこんなことはこの業界ではよくあること!またお仕事頂けるように頑張ろう!と気持ちを切り替えた。
そしてその数日後、ロケの予定が入っていた日にSNSを覗くと、驚きの写真が目に飛び込んで来た。
「俺がバラされたロケ、護得久栄昇がやっとる…」
出た。
出ましたこのパターン。
これもあるあるなんだけど、芸人の自尊心が一番傷つくパターン。
イケメンから「今度飲みいこーぜー!」と連絡が来て、ウキウキで待っていたら
「ごめん、予定入ったからキャンセルで!」
って連絡が来て、その日そいつのSNSを見たら、自分より2ランク上のいい女と飲みに行ってる写真がアップされているような気持ち
といえば自尊心の傷つきっぷりが伝わるかもしれない。
ナイーブな地方芸人のハートは大変に傷ついた。
その痛みから少しでも逃れるため、怒りの矛先をAbemaTVに向けた。
「なんなのよ!アイツ!おじさんという芸人がありながら護得久栄昇とアレするなんてさ!もう今後オファーが来ても二度と出てやんないんだから!背負い投げ〜!」
と憤った。
「護得久栄昇先生より売れてない自分が悪い」という現実から見事に目を背けることに成功し、精神崩壊の危機をまぬがれた。
それから数ヶ月後…
せやろがいおじさん がTwitterで拡散され…
なんとAbemaTVさんからオファーが来たのだ!
Twitterで拡散されている動画の一部をOAしたいとのこと。
おじさんは思った。
「あの時の雪辱を晴らす時が来た!」と。
そしてマネージャーから「千原ジュニアさんの番組だよ」と聞いた。
おじさんは思った。
「あの時の雪辱とか、マジどうでもいい!」と。
いや、沖縄で活動してて東京から声かかるのって、本当にすごいことなのよ!
そしてマネージャーに
「舐めます舐めます!舐めさせて下さい!あ、でもVTRの使用なら直接お会いできないから舐められないか…。靴だけ送ってもらったら舐めて返送できますし、なんなら僕の舌を送ってそちらで破棄してもらってもいいです。あ、そか!靴を買って舐めたのを送ればいいんだ!」
といったメールを送りそうな自分を深呼吸で吐き出し、動画使用OKの返事を出した。
凄くないですか?
あの「お笑いジャックナイフ」と呼ばれた千原ジュニアさんがおじさんの動画を見るんだよ?
「お笑いひのきの棒」と名低いおじさんの動画を!
どんなコメントが聞けるんだろう?とても楽しみだ。
好意的なコメントでも、否定的なコメントでもとても光栄なことだ。
番組は千原ジュニアさんの他にも、豪華な布陣でお送りされる。
是非とも、おじさんを応援していただいている方には見ていただきたい。
「AbemaTV 千原ジュニアのキング・オブ ・ディベート」
9月23日の20時〜23時
この時間は絶対AbemaTV見なあかんでぇ〜!
せやろがい!